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もう昼近くで空腹ではあったが、ヨシさんが積丹半島に素晴らしく美味しいウニ丼を食べさせ
る店があると言う。途中運上家に寄った。1853年に建立されて、アイヌ民族との交易を行って いた松前藩の出向機関で、和人とアイヌ民族の間に紛争が起きないよう監視機関の役割も兼 ねていたそうだ。カメラに入りきらない細長い建物だった。 ![]()
旧下ヨイチ運上家
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嘗てはニシン漁で活気に溢れたという積丹半島
積丹半島には日本海の荒波が造りだす奇岩や断崖が立ち並んでいた。積丹半島随一の景
勝地と言われている島武意海岸や神威岬には寄れなかったが、次回のチャンスがあればぜ ひ行ってみたい。
ここの荒磯で育った赤ウニが、下の丼に入っている赤ウニである。
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ヨシさんによると、東京の寿司屋で食べているウニは紫色をしたトゲトゲの殻に入った紫ウ
ニで、現地の人は赤ウニしか捕らないという。赤ウニは馬糞の形をした殻に入っているので、 北海道の人たちはバフンと呼んでいるそうだ。若いきれいなママに「馬糞はいかが?」と聞か れた時は、「えっ……? 」と驚いた。
赤ウニは東京で食べている紫ウニと違って、口に入れた途端、トロッとした甘さが口の中に
広がって、まったく別物だと思った。ママが較べてみてください、と紫ウニを一皿サービスしてく れたが、炊きたての魚沼産コシヒカリと冷めたタイ米ぐらいの差があると思った。
今夜の宿は、北湯沢温泉である。積丹半島から南下して300kmはありそうだ。車は渋滞の
ない道を60kmのスピードで快調に走る。サミットの開かれた洞爺湖ホテルを仰ぎ見、暮れか けた洞爺湖を横目に見て、午後7時前にやっと今夜の宿、ほろほろ山荘に到着した。 ![]() |