ホーチミン市 2 
 
 信号機に完全に従っているかと思うとそうではなく、赤信号でも車が来ていないと停まらない
し、人が渡っていようがいまいが、お構いなしである。信号機が少ない上にバイクがひっきりな
しに通るので、道を横切らなければならない時は、肝を冷やした。エジプトは大きな交差点でも
信号機のない所が多く、運転手と目で会話し、あうんの呼吸で渡るのがコツだ、と言われた
が、ここでも怯えず、急がず、左右を見ながら堂々と渡るのが、コツのようだ。

 どの時間帯でも大の男たちがバイクに乗っているので、彼らはどんな仕事をしているのだろう
か、不思議でならなかった。同行者の一人は「東南アジアでは、旦那たちは何もせず、奥さん
が働いている」と言っていたが、日本語の話せる30代のベトナム人の女性に訊いたら、「荷物
を運んでいるのではないでしょうか」とあまり触れられたくない様子だった。

 ベトナムの15歳以上の識字率は94%。教育制度は整っているようだ。性格は温厚で、超大
国のアメリカや中国との戦争に負けなかったことから判断して、相当粘り強い国民のようだ。年
長者や上司には敬意を払い、真面目で熱心。日本人とは合うと思った。

 前ページの右の写真は都心部にあるホテルの部屋から撮ったもので、この通りを左にまっす
ぐ10分も歩けば、表紙の人民委員会庁舎前の広場に出る。通りはフランスが植民地として支
配した時代の名残を残す広くて優雅な並木道で、ここにはフランス植民地風の建物が目につ
いた。
        中央郵便局               中央郵便局内部













 





 仕事の合間を見て、中央郵便局、聖マリア教会、戦争証跡博物館を案内して貰った。中央郵
便局は19世紀のフランス当時時代に建てられ、半円形の天井など建築文化財としても貴重な
建物だそうだ。中央郵便局に向かって左側に赤レンガ造りのカトリック教会・聖マリア教会(ノ
ートルダム寺院。写真は次ページ)があり、これもベトナムフランス建築の代表的な建物であ
る。

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