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椰子の木がどこまでもつづく日南海岸沿いの道
最後に行ったのが鵜戸(うど)神社である。駐車場から神社までは遠い上に、高い階段を上
ったり下りたりしなければならなかった。東京を出るとき靴は歩きやすい靴を選んで履いてきた のだが、長崎では1日6,7時間近く歩き回っていたので、足の両親指は曲げると痛かった。神 社への往きは下りの階段が多かったので爪先が靴の先端に当たってよけい痛く、時々休まな いと歩けないほどだった。
やっと神社に到着して驚いた。社殿は太平洋の波が打ち寄せる断崖の洞窟の中にあった。
今まで波にさらわれなかったのが不思議なくらいである。ここのご利益は安産、夫婦円満、縁 結びで、県内外から沢山の観光客がバスで来ていた。 ![]()
鵜戸神社
両親指の痛さを堪えて、やっとの思いで駐車場に戻った。これでいよいよ観光も最後である。
宮崎空港まで送って貰い、下戸の友人とコーヒーを飲んで別れた。2泊もした上、車で素晴らし い所を案内してくれた友人には感謝感激である。
アラさん、ありがとう。今度は貴兄が東京においでよ。 謝々!
長崎は,頂上までぎっしり人家で埋まった低い山が、海に向かってゆるやかに下っている。そ
のため、あちこちに数え切れないほどの坂があって、どこに行っても教会の尖塔や趣のある洋 館が目に入った。異国情緒たっぷりの街だった。先回来た時は素晴らしいと思ったが、今回、 その感を強くした。景観は勿論のこと、優しい人たちが多かった。ロープウェイの若い女性係 員に、浦上天主堂までどこ行きのバスに乗ればいいのか訊いたら、手帳にバスの系統番号 と、バスを下りてからの地図を書いて千切って渡してくれたし、思案橋やオランダ坂や松が枝 町で道を訊いたら、ちょっとわかりにくいからと言って、わかるところまで一緒についてきてくれ た。
ロープウェイの女性に祈念坂を訊いたら、私は天主堂の近くで生まれ育ったがキネンザカな
んて聞いたこともないと言う。旅行雑誌にはオランダ坂やどんどん坂と共に写真入りで載って いる有名な坂で、そこでは沢山の切支丹が殺されたと書いてある言っても、私たちは物心つい た頃からそんな話は限りなく聞いている。支丹が殺されたというだけでは……と笑った。
長崎は大好きな街となった。いつかまた訪れたい。 (完)
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