長崎・宮崎旅行





         
              長崎・宮崎旅行



                          祈念坂

 ちょうど2ヶ月前、長崎・天草・九十九島のツアーに参加した。そのときは大浦天主堂、グラバ
ー邸見学に割かれた時間は2時間ほどしかなかったので、浦天主堂、グラバー邸はざっと見
ただけですぐ祈念坂とオランダ坂に向かった。電信柱に矢印で〈祈念坂〉と書いてあったが、そ
れらしきものが見つからない。買い物帰りの主婦と墓の掃除人に矢印を指差して訊いても、わ
からないとの返事。家内と急ぎ足で探しまくってやっと発見。ちらっと見ただけだったが、隠れ
切支丹を題材に多くの作品を書いた遠藤周作・狐狸庵先生が、日に朝晩2回訪れたということ
だけあって、心に強く訴えてくるものがあった。
 写真のすぐ右側が教会なのでここから坂に逃げ込み、坂を上って山の中に逃げ込んだり、
左側(現在はお寺のお墓だが、当時は森だったと思われる)から山道を下ろうと、必死に逃げ
ようとしている、ぼろを纏った百姓たちの姿が目に見えるようだった。実際、教会に祈りに来た
切支丹たちが祈念坂で待ちかまえていた役人に逮捕されたり、拷問されたり、殺されたりした
ようだ。
 時間もなかったので祈念坂の入口付近から写真を一枚撮っただけで、後ろ髪を引かれる思
いでツアーのバスに戻った。東京に帰ってからも祈念坂のことが忘れられず、11月21日に応
募作品を出版社に郵送した翌日、今度は一人で11月22日長崎を再訪した。

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