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レストランでシーフードパエリアを食べてから、オレンジで有名なバレンシアに向かった。380
km、5時間半の旅である。パエリアは、イカ、エビ、野菜と米などをトマトとサフランで味付けし たもので、私は一口食べただけで後は食べる気がしなくなった。家内は「まずい」と言いながら 何とか食べていたが、私はその後もスペインの料理(メルルーサなどの魚料理、子牛のシチュ ー、タパスメニュー)がまったく口に合わず、昼と夜はレストランに行っても生野菜をおかずにビ ールかワインを飲んで、歯が折れてしまいそうな固いパンにバターをつけて食べた。朝食はバ イキングだったので、栄養面のことも考慮して積極的にハムやソーセージ、クロワッサン、ゆで 卵を食べたが、帰国後体重を量ったら3キロ減っていた。
バルセロナを出てすぐ、ローマ人が2000年前に建てたというタラゴナの水道橋に寄った。ロ
ーマ人はエストニア人から学んだと言うが、水道橋の上には人がやっとすれ違えるぐらいの幅 しかなかった。
バレンシアはスペイン第3の都市で、ビルが建ち並んで、街並みがとてもきれいだった。ホテ
ルに着く頃はすっかり暗くなって、街路灯が真昼のようにまぶしく輝いていた。ヨーロッパではど この国に行っても、街もホテルの部屋の照明も暗いが、どういう訳かスペインの中でもここだけ は、真昼のような明るさだった。
バレンシアオレンジは行く前から食べるのをとても楽しみにしていたが、レストランで食べたオ
レンジは甘みも少なく、南紀のバレンシアの方が遙かに美味いと思った。
翌朝バレンシアを出ると、バスから見える風景が一変した。緑の野と茶色い土地が広がり、
そこには人間の膝ほどの高さしかないブドウの木と、幹が太くて葉の多いオリーブの木が、見 渡す限り植わっていた。ガイドによると、これがスペインだそうだ。
左: シーフード パエリア 右: タラゴナの水道橋
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