ロットネスト島

 ロットネスト島
 スワン川の河口に位置するフリーマントルの19km沖合のインド洋に浮かぶ小さな島で、パ
ースに来たら時間がなくてもここだけは行くべきだ、といわれるほど魅力的な自然に恵まれた
島である。目の前にはインド洋が見渡す限り広がり、オーシャンブルーの素晴らしい海の色
は、いつまで見ていても飽きなかった。西オーストラリアは非常に風の強い所で、その上ここは
浅瀬で岩礁が多いため、あちこちで難破船が見られた。
 
 当日、パースは台風並みの強風で、フリーマントルの桟橋に停まっている遊覧船が大きく揺
れていた。いつもは開いている土産物屋は軒並み閉まっているので、休航かと思ったら出航す
るという。約30分ぐらいで着くというのでそれぐらいなら船酔いもしないだろうと思って乗り込ん
だ。 船は割合大きな船だったが、天候のせいもあったのだろう、乗客はまばらにしか乗ってい
なかった。
 港を出た途端、考えが甘かったことを骨の髄まで知らされた。風と波が、台風のように荒れ
狂っていて、波が雲のように船窓を流れ、船が1m近く波に持ち上げられたかと思ったら、ドー
ンとものすごい音とともに船底が波に落下するのである。まるで、巨大なハンマーで船底を叩
かれたみたいだった。
 沖に出たら、今度は大きな横揺れも加わって、あちこちでゲー、ゲー。揺れには慣れている
のか、若い係員が斜めになった体を椅子の背につかまりながら平気な顔で、「ゲロゲロ袋」と
日本語で言って乗客ひとり一人に手渡している。もしもの時はと袋を握りしめていたが、船が島
に近づき、揺れが少なくなって、船が全速力で走り始めた時は、さすがに「助かった」と思っ
た。 
 
 インド洋にかかる虹。何回も見た。   インド洋に放置された難破船の残骸














 


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